目は死んでねぇ。

よく似てるじゃないの。


『絶望?私には希望しか見えない。』


あの女に・・。








Hart 11








アイスサーベルを突き刺す瞬間

何かの気配を感じる。


「!」


・・斬られたか。

すぐに能力で戻せばそこには賞金首の男が立つ。

確か最近急激に躍進しているルーキー、トラファルガー・ロー。


「ロー・・。」

「黙ってろ。」


おうおう、怒ってるのかねぇ。


「お前は確かトラファルガー・ローか。」

「海軍大将が何の用かは知らないが、こいつは返してもらう。」

「それは困るねぇ。」

「こいつに何の用がある。」

「お前は知らなくていいことだ。」

「ルーム。」

「ロー!戦って勝てる相手じゃ」

「お前は黙ってろ!!」


男だねぇ。


「それは船長としての決意か?男としての決意か?」

「余裕があるんだな。」

「まぁ聞け。お前は後悔する。」

「なんだと?」

「そいつは世界政府から狙われた人物だ。」

「「なっ・・。」」


やはり覚えていないのか。

もローも目を見開く。


「正確にいえば、世界政府から狙われる人物になるだな。」

「意味がわからねぇ。こいつがなぜ世界政府から狙われる・・。」

「ここで死んだ方が確かに幸せかもしれぇな。」


トラファルガー・ローが一度目をつむり

その後俺を見る。

良い面じゃねぇの。


「こいつの未来をお前が決めるな。」


男としての決意か。


「ならばお前も死んどくか。」

「やめて!」


体がもう一度ぶった切られる。








何度かの猛追。だが全然手ごたえがない。

これが噂の自然系か・・。


「面白い能力。だがまだ・・未熟。」

「くっ!」

「両棘矛」


避けると同時に青キジの手が俺の腹に命中する。


「男としては褒めてやるが、船長らしからぬ行動だ。

 一人の船員のためにお前が命を落とせば何人の奴らが路頭に迷う。」


頭の前に手がかかげられる。

足場が凍らされたか。

あと一撃でこいつは俺を凍らせることができる。


「・・大事なものを守れず何になる。」


青キジが笑う。


「そうか。だが終わりだ。」


くそ!


「アイスタ」


「やめてーー!!!」


の叫び声がとどろく。


「!?」


青キジがその瞬間止まる。


「ハハ、よりによって目ざめちまったか。」


手のひらを握ってはやめる青キジ。


「おい、お前の能力使ってみろ。」

「・・・。ルーム・・・?!」


能力が使えない?!


「まだ粗削りだが、たいしたもんだ。」


青キジが俺から視線を外しに歩み寄る。


「待て!」


足さへ動けば!!

くそ!!


「その能力。目ざめちまったからには隠しながら極めるんだな。」

「え?」


「昔お前に話した。覚えていないか。

 そいつはかつて滅びたといわれる能力だ。

 『悪魔の実を無効化する能力』」


悪魔の実を無効化だと?聞いたことがない。


「今それを使えるのは世界で2人だけ。

 お前と・・お前の母親だ。」

「母・・親?母さんが生きているの!?」

「たぶんな。俺の預かりしらねぇことだ。もしかしたらもう死んでるかもな。」


の母親は死んだと聞かされていた。

まぁこいつの義理の母親から聞いた話だが・・。


「貴方は一体・・。」

「『希望しか見えない。』

 お前の母親が俺に残した言葉だ。」

「お前の能力はお前に絶望をもたらす。

 そう俺は信じていた。だが・・」

から手を離せ!!」

―!キャプテーン!!」

「あんた動かないでちょうだい!

 これ以上そいつらに何かしたら容赦しないわよ!!」


ようやく到着したか・・。

仲間が到着する。


「お前の行く先はまだ決まってないのかもしれねぇ。

 こいつらと、そこの野郎とどこまでいけるのか。

 楽しみにしてるぜ。」


青キジと共に凍っていた足場も消える。


「「「「!!」」」」」


どさっと音がして血まみれのが倒れる。


「舟に運べ。俺が治療する。」

「キャプテンも大丈夫?」

「あぁ。」


急いで舟に戻った。








怪我を治療してもらって、チャイさんに支えられて皆のもとに向かう。

みんなの視線が集まる中今回のことを話した。

青キジに言われたこと、

そこで自分が選んだ選択

そして


「私は世界政府に狙われることになるかもしれないだから・・。」


青キジから逃れられたけど・・


「私はこの海賊団を抜ける。」


皆を危険にさらすわけにいかない。


「そんな!」

、お前!!」


みんながざわつく。

けれどこれが精いっぱいの選択だ。


本気?せっかく助かったのよ・・?」


チャイさんが私の横で切なそうな表情をする。


。」

「ベポ?」

はここを抜けてどうするの?」

「私は・・。」

は本当にそうしたいの?」

「私は・・・。」

「あーーー!!何だってんだよ!!」

「ペンギンさん・・。」

「世界政府が何だってんだ!!俺達はそんなのが聞きたいわけじゃねぇよ!!」

「そうだ!よく言ったペンギン!!」

「おうよシャチ!」

「お前の本音は何だよ、?」

「私は・・・。」


私は・・・。


「私はここにいたい。」


言って後悔する。

みんなの反応が怖い。


「お前は勘違いをしている。

 世界政府なんざそのうち敵になる。俺達を何だと思ってる。」

「ロー・・キャプテン。」

「俺達は海賊だ。もう馬鹿なことはするな。話は終わりだ。みんな持ち場に戻れ。」

「「「「「アイアイキャプテン!」」」」」」


通りすがりにコツンと頭をたたいたり、ぐしぐし頭をなでられる。


「何で・・。」


何でこんなに優しい人たちなんだ。

手をぐっと握る。まだよくわからない能力・・でも何か私にできるなら。

この能力はこの人たちのために使おう。


「ありがとう・・みんなありがとう!!!」


涙がこぼれる。


・・大好きよ!!」


横を見るとチャイさんも泣いていた。


「チャイ。」

「は?」

「変われ。」

「え?何よ!」

「うるせぇ・・。」


ブーイングをするチャイさんをどかせて私の肩をローが支える。


「行くか。」

「え?」


ローと共に甲板を歩く。


『海軍大将が何の用かは知らないが、こいつは返してもらう。』

『・・大事なものを守れず何になる。』


ローは無理だとわかっても立ち向かってくれた。


「もう馬鹿なことをするな。」

「・・・うん。」


嬉しかった。そう思ってはいけないのに・・どこかで待っていた。


「お前の未来を勝手に決めるな。」

「・・・・うん。」

「お前の未来は・・。」


ローが止まる。

視線が合う。


「俺が切り開いてやる。だから、どこにも行くな。」

「うん!」


涙が止まらなかった。






って・・・

えっと・・


「ローなぜここに?」


辿り着いたのはローのドアの前なのですが・・。


「チャイでは逃げ出すお前だ。」

「えっと・・・。」

「今日からここがお前の寝室だ。」


ニヤリと少し意地悪く笑うローに冷や汗が出る。


「怪我してますし、医務室に」

「どこにも行くなと言ったろ。」


なぜこうなる!関係なくないですかぁ!!

「キャプテン・・いや、ロー。

 もしかしなくても勝手に出てったこと怒ってる?」

「さぁな。」

「ベッドが・・。」

「もう運んである。」

「えぇ!!」

「俺の横にな。」

「〇×△◆!!」


部屋に入れば確かにそこにはベッドが二つならんでいました。

二人で寝てもせまくないv

じゃなーーーーい!!!!

これは大変なことに・・。

改めてローを見れば


「怪我をしている奴に手をだす趣味はない。」


と言われる。

だけどなんだと安堵した瞬間


怪我をしている奴には、な。」




耳元に吐息がかかりぞくっとする。

この状態がいつまで続くかは・・怖くて聞けません。

怪我・・

治るのが遅くてもいいかもしれません・・。





そうこうし私が慌てている時に

「青キジさん、だめだったんですか。」

「あいつはいい女になったぞ。」

「そりゃそうでしょ。
 
 会いたいな。俺の唯一の・・。」

私はまだ、彼の存在を知らないでいた。