なるほど。

目の前で赤くなっておどおどしながら話す

かわいい・・・いやどうしてこんな子があの

ローのものにねぇ・・・。







Hart 7








とローがようやくくっついた。

周りはやきもきしてたのに、いつまでも距離感が変わらなかったのよね。

正式にいえばが自分の気持ちに気付けば

こうなることは目に見えていたわけなんだけど


「よかったじゃない。おめでとう。」


頭をなでると赤い顔でうなずく。

あー、本当もったいない。


「でも・・チャイさん。」

「何?」

「明日からどうすればいいんでしょうか。」

「え?」


いや、恋人ができた女の子ってこんなもんかしら?

普通だったらもっと楽しいことを描かない?

そりゃここは舟の上だし、普通のカップルみたいに

デートとかできるわけじゃないけど・・。


「とりあえず一緒にいればいいのよ。」

「一緒に。」

「そ。」


この言葉が間違いの種になるなんて、

その時私はまだ気づいていなかった。







もちろんその夜はなんだかんだで眠れず・・

でもチャイさんに相談したらすっきりした。

うん、そうだよね。

ローとの関係は、少し変わってしまっただけなんだから、普段通りに

生活していればいいんだよね。

ぐっと背伸びをして、思いっきり海の空気を吸い込んだ。






・・何でここに?」

「へ?何でってここチャイさんと私の部屋ですよね。」


待て待て、昨日の話だと、

はローの女になっちゃった

って話じゃなかったかしら?

そのがどうしてここに?


「寝る場所・・ここなの?」

「そりゃ、当り前じゃないですか。」


何言ってるんですか?と笑顔で返されると逆にこっちが困る。

そういえば今日のこの子の行動・・全然変わってなかった?

いやむしろ、ローを避けているなぁなんて思ってたけど、そこはかわいかったvv

いやそのせいで


【おい、キャプテンついにに手をだしたのか?】

【しかも、あれ、避けてるよな。】

【まさか襲ったとか・・。】

【ありえるかもなぁ。触らぬ神にってやつだ。やめとけ。】


なんて馬鹿シャチとペンギンの話を思い出す。

まぁ1日目だしね。明日になれば何か変わるわよね。






今日はローを避けてしまった。何ていうか近寄りがたい。

どういう表情をしていいかわからない。

だから極力近寄らなかった。

普段からいつも一緒にいるわけじゃないから不自然じゃなかったわけだけど。

もう少し普通にならないとね。

そう思ってベッドに入った。






3日目!いやちょっと・・


「チャイさん寝ないんですか。」

「いや、寝るけど・・・。」


?マークをうかべるにさすがの私も聞くことにした。


・・あんたローと恋人になったのよね。」

「・・・おそらく。たぶん?」


そこおそらくなの!?

あんなことがあったのに?


「一緒にいなくていいの?」

「一緒にはいますけど。同じ船ですから。」

「いや、あの・・。」


もしかしなくても・・


「だってどうしたらいいかわからないんです。」


これは・・ローじゃなくても先が思いやられるわね。







同じ船に乗っていて、私は船員、ローはキャプテンなわけで

つまり公私混同しないってことを考えれば二人で一緒にいるのもおかしい。

それに恥ずかしくてそんなことできない。

それに今は何て言うか、ローの気持ちを知って、一緒の舟にいられるだけで満足だ。

好きな人と一緒にいられるってすごく幸せなことだって感じる。

ローの近くにいけば緊張してしまうけど、もう少しすれば慣れてくるよね。





「だそうよ。」

途端にため息をつき医学書をおいたロー。

【一緒の舟にいられるだけで満足だ。

 好きな人と一緒にいられるってすごく幸せなことだって感じる。】

それだけ伝えた。

ローは眉間にしわをよせ、何か思案してる。

それにしても恋をすると人が変わるって本当ね。

普段そういった人の情とか愛だのなんだのに

冷淡なローが自ら動くのかしら。


「それだけ大事な存在ってことかしら。ねぇべポ。」

「・・とキャプテンのこと?」

「ええそうよ。」

「うらやましいー。」







夕飯を食べて、見張り台に上る。

今日はたしかべポとだったかな。

とんとんとはしごをあがるとそこには


「・・・・。」

「・・・・・え?」


ローがいる。

なぜ?

どうして??


「・・・・。」

「見張り番だろ。役目を果たせ。」


そう言われれば・・仕方なくその場にいるしかなく、

ローの横に座った。

なんだか緊張してしまう。

あの時みたいだ。

・・・って思い出してる場合じゃなく!!


「フッ。」

「なっ!笑わなくたって!」


!!

その瞬間ぐいっと引き寄せられてローの腕の中に入ってしまう。


「緊張しすぎだ。」

「それはだって!」


すごくドキドキする。見張り台だから誰にも見えない場所だけど。

顔もすごく熱い。


「お前は何も知らない。」

「え?」

「なら俺が教えてやる。」


交わされたキスは前とは違い、深くなっていって

押し返そうとすれば、腕をとられてしまった。

終わったときには、大きく呼吸をするぐらいになっていた。

涼しげで満足そうに見返すローに悔しくなる。


「何だ?」

「別に。」

きっと睨んだはずなのに、全然効果がなかったのは言うまでもない。