「ねぇ、あんたの携帯みせてくれます?」
「え?いいですよ。」
うわ待ち受けがアイドルかぁ。
こりゃ妹に心配されまさぁ。
携帯を操作してアドレス帳を開く。
そして赤外線送信・・。
「ってあんた何やってんだぁぁ!!」
「別に。じゃ。」
よしゲットと。
Pray3
かけどもかけども繋がらない。
まぁ俺が非通知にしているからだろう。
もちろんこれには意味があるわけで。
「もっ・・・もしもし」
ようやくでた相手はすごく怪訝そうな声をだした。
「ようやくかかった。」
すると相手から返答がない。
もしかして気付かなかったのか??
「何度も無視なんて大事な電話だったらどうするんです?」
そんなつっこみをいれれば
「いや・・大事な電話は非通知ではかかってこないと思います。」
敬語のえらく真面目な答えが返ってきた。
あぁ俺ってわかってないんですねぃ。
「んで今度の木曜日夕方暇ですかい?」
一方的に約束を突き付ける。
「声でわかりませんかい?こりゃショック。」
何も返答が返ってこないので続けて
「じゃ、木曜の5時に学校に迎えにいく。逃げたら知りませんぜ。」
電話を切った。文字通り電源を。
一方的に・・一方的に俺が主導権を握る。
木曜のの顔を想像すると笑みがこぼれた。
女子高ってのはやはり男に飢えてるのか。
じろじろ見られたり声をかけられること数回。
女子高が聖域だと思ってる男に訴えてやりたい。
さてさて来ないつもりか・・。
「何かんが・・えてんのよ。」
5時ちょうどに息切れしたが来る。
大方さっきから通り過ぎた誰かがメールでもしたか。
まぁどっちでもいいか。
「さぁ、行きますぜ。」
「は?」
「ドライブ?」
何をいってるのかという目で俺を見る、そして車と俺を何度も見ている。
もう少し見ていたいが
「別にいいですが」
「何?」
女子高の奴らがなにげにたくさんいて、視線の先には俺と。
それに気付いたがあわて始める。
「ほら、乗ってくだせぇ。」
「嫌。」
「ならだめでさぁ。」
「離せーー!!」
腕をつかむ。
「乗らないと離さない。」
「っ!!」
その場を乗り切りたいがためにが車にのる。
作戦成功。
「なら・・海。」
「海?」
冗談まじりに聞くとマジな答えが返ってきた。
「何よ・・文句あるならいい。」
「了解ですぜ。お姫様。」
「姫じゃないし。」
帰るといいながら結局は流されているところが
律儀というかお人よしというか。
海に着けば、輝くような笑顔をする。
「何?」
「いや、そんなに嬉しいんですかい?」
「まぁね。」
そういとしばし沈黙が続く。
「昔は結構きたのよ。父さんが生きてた頃ね。
でも父さんが亡くなって、姉さんと兄さんは働き出して・・
なんか一人じゃ来るのが嫌だった。友人と一緒にきてもよかっただんだけど
なーんか今後気にされそうでさ。」
「俺ならいいんですかい?」
「別にあんたは気にしないでしょ。
ホストの気分転換に利用されるなら、こっちだって利用してやろうってね、」
どこか切なさを帯びた真直ぐな目、イタズラをした子供のような笑顔・・。
女なんて馬鹿にしてた。
姉上以外の女に対して綺麗だと・・思ったのは初めてだ。
気分転換?まぁ確かに気分転換でもあった。
俺に反抗し男に興味のない女・・。
でも純粋で情にもろそうで俺にはないものばかりをもった女。
面白い・・もっと知りたいと、更に感じる自分。
「気にいった。」
「何が?」
「だからあんたが。」
「は?」
「俺と付き合いやせんか?」
「・・無理。」
本当・・鍛えがいがありそうでぃ。