「あ。」
「・・・・。」
「あれ?お前ら知り合いか?」
やっぱりそうだったんだ。
君にとどけ3
期末テストが終わり、今日から医学部のコースにわかれた学習が再会した。
といっても初めてコースにわかれた学習に入る私にとっては開始したになるのだけれど。
「人数は少ないけどいい奴らばっかだから安心しろ。」
「チョッパーが一緒なら大丈夫ね。」
「なっ、そんなこと言われたって嬉しくないぞ♪」
かわいいなぁと思っていると教室についた。
ドアをあけて入ると
「あ。」
思わず声をあげてしまった。
そこには前図書室で会った人がいる。
「・・・・。」
「あれ?お前ら知り合いか。」
「えっと前図書館で会ったことがあって。」
「なんだそうなのか。こいつがローだぞ。期末試験、お前と同着一位だった。」
「あの、・と言います。よろしくお願いします。」
「トラファルガー・ローだ。」
「相変わらず、そっけない奴だなぁ。」
どうやら口数が少ない人みたいだ。
あとは、チョッパー君の話によると
2つ前の組の中心人物だということがわかった。
夕日に照らされた姿を思い出す。
不思議な魅力をもった人・・・。
教室が騒がしい。
「転校生はやっぱ医学部らしいぜ。」
「そりゃあの成績だしな。」
「美人だし、俺頑張ってみようかな。」
そりゃそうか。ただでさへ、女が少ないこの学校、
まして医学部志望はより女が少ない。
そこに顔立ちが整った奴がくるとなればこうなるのも無理はない。
医学書を読むあの姿、しかしあんな表情をして医学書を読む奴も珍しい。
「あ。」
見ればあの女が立っていて俺を見ている。
「あれ?お前ら知り合いか。」
「えっと前図書館で会ったことがあって。」
「なんだそうなのか。こいつがローだぞ。期末試験、凛と同着一位だった。」
少し驚いた表情、横ではトナカイ屋が俺のことを説明する。
「あの、・と言います。よろしくお願いします。」
「トラフラルガー・ローだ。」
「相変わらず、そっけない奴だなぁ。」
周りの視線を感じる。まぁ俺も素行があまりよくない方だからな。
そんなことはおかまいなしに、少し緊張しながら微笑む。
それ以上は教室では俺たちは話をしなかった。
今日ローさんに会ったからか、足が図書室にむいてしまった。
あの本、やっぱり借りようかな。
棚を指でたどっていく。
「あ・・・。」
棚の一番上に本が置いてある。
私の身長じゃ・・
くっ・・・
ぐっと手を伸ばし続けているとふいに影がかかる。
「これか?」
無言で差し出される本。
立っているのは
「ロー・・さん?」
「台なら奥にある。届かないなら使うんだな。」
ローさんは手に別の医学書をもって机の方に向かっていく。
「あの!」
「?」
「ありがとうございます。」
「あぁ・・おい。」
「はい。」
呼びとめられて指差されたのは向いにある席だ。
「読むなら遠慮するな。」
確かに読もうとは思ったけれど、向いですか?!
「嫌なら別の席にしろ。」
ええ?その言い方も微妙じゃないですか。
「え・・いや・・はい・・・・ありがとうございます。」
「っ・・。」
緊張する私とは逆にふっと笑ったローさん。
ちょっと・・いやかなり素敵だけど。
「なんで笑ってるんですか?!」
「いや・・。面白い奴だな。」
より恥ずかしく、いや正確にはローさんの微笑を見れず本に目をおとす。
読んでいけば心も落ち着く。
足が図書室にむいた。
借りてた本を返しにいくついでだ。
この図書室はもともと出入りも少ないので、自主的に貸し出し手続きをし、
返却手続きを行うようになっている。
医学書の棚にいくと腕をいっぱいに伸ばし上の棚の本をとろうとしている
の姿があった。台を知らないのか。
まぁ転校したてだからな。
取ろうとしているのは前回俺が机上に置いた本だ。
「これか?」
「ロー・・さん?」
は目を大きく見開き驚いている。
「台なら奥にある。届かないなら使うんだな。」
俺は目当ての医学書をもち椅子に座る。
「あの!」
「?」
「ありがとうございます。」
「あぁ・・。」
礼儀正しく、素直な奴。
ふと興味がわいた。
「おい。」
「はい。」
向いにある席を指差す。
「読むなら遠慮するな。」
さっきと同じような表情だな。
『『美人だったな〜』』
ぺんぎん達の会話が思い出される。
確かに顔は整っているがどちらかといえば・・。
「嫌なら別の席にしろ。」
困っている。
「え・・いや・・はい。ありがとうございます。」
ぎこちなく、顔を赤くして、更に礼って・・面白い奴だ。
「っ・・。」
「なんで笑ってるんですか?!」
「いや・・。面白い奴だな。」
そいつは少し困った顔をして、本に目を落とした。
だんだんとその表情が本にひきこまれていくのがわかる。
俺も自分の本を読み進めた。
読み終わった。
時計を見ればもう下校時刻だ。
まだローさんは本を読み進めている。
いちおう声かけて帰ろうかな。
「下校時刻なので、そろそろ帰ります。」
「もうそんな時間か。」
「さようなら。」
「おい。」
「はい?」
「その医学書、読めるのか。」
読んでいた本は確かに別の国の言葉で書かれた本だ。
確かに普通は読めないか。
「昔から医学に関する手ほどきはうけているんです。」
「親が医者か。」
「父がそうですね。」
図書室を出て、自然に連れだって歩くことになった。
「といっても親は決して医者を進めなかったんですけどね。」
「そうなのか?」
「はい。」
興味がわいて、父親にすがった思い出。
懐かしい。
今はもう・・。
「じゃぁな。」
「はい、また。」
いつのまにか教室についていてローさんとわかれた。
「下校時刻なので、そろそろ帰ります。」
「もうそんな時間か。」
時計を見ると下校時刻になっている。
「さようなら。」
持っていた医学書を返しにいく。
「おい。」
「はい?」
「その医学書、読めるのか。」
気になっていた問いをぶつけるとは不思議そうに本を見返す。
「昔から医学に関する手ほどきはうけているんです。」
「親が医者か。」
「父がそうですね。」
医学の手ほどきといったってその言語を学ばせるって
教育熱心な家ということだろう。
「といっても親は決して医者を進めなかったんですけどね。」
図書室を出て、自然に連れだって歩いていたが思い出したように話す。
「そうなのか?」
「はい。」
それからは何か思うことがあるのか黙ってしまった。
最初は懐かしそうな、しかしだんだんとその表情が曇る。
触れられたくない記憶か・・。
「じゃぁな。」
「はい、また。」
また・・特に気にせずはいた言葉だろう。
その背中を見つめている自分に苦笑する。
「俺らしくもない。」
重なって離れる
それの繰り返し