真剣に考えよう。


「居留守だ。ババアならこの新しくつけたカギは開けられない。」


コクコクとうなずく新八くんと神楽ちゃんを見てそう思う。

あんなによくしてもらってるお登勢さんに申し訳ない・・・。

明日からバイトを探そう。












 Tomorrow 3












私の万事屋でのお仕事は家事全般だ。

月に一度のお給料は万事屋にはいった仕事の量で決まる。

別にそれが不満なわけでなはいけど、

私は皆さんと一緒にいると決めたのだから、やっぱり助けになることはしたい。

少なくとも自分にかかる費用くらいは私がきちんと・・。


「あら、ちゃん。」

「お妙さん!」


この人は新八さんのお姉さんであり、道場で剣術を共に精進する人であり、

お姉さんのような人v


「その顔は・・悩み事かしら?」

「あ!そんな暗い顔してました?」

「ぼーっとはしてたわ。」


お妙さんにはかなわないなぁと思い、私達は近くの茶屋に入った。

「ふーん、仕事ねぇ。」

「はい。お妙さんはお仕事別にしているんですよね。」

「あぁ、でもそれはちゃんには合わないわよ。」

「そうですよね。」


どうしようかなぁ・・。あれ?

少し離れたテーブルの下に人がいる??


「あのお妙さん・・。」

「ふふ、気付いてしまったのね。ならもう我慢することないわね。」


え?と思う間もなくお妙さんのもった灰皿がその人めがけて投げられた。


「ぐはぁ!!さすがお妙さん俺の心にストライク!」

「あら、なら心臓(むねのどまんなか)にもう一度あてなおしましょうか。


怖い!怖いですよ!!

お妙さんが怖い!!!!



「あら、嫌だ。ちゃんごめんなさい。」

「は・・はい。」

さんというのですか!私は近藤と言います。以後よろしくお願いいたし」


お妙さんは「よろしくしなくていいわぁ!!」ともう一度鉄拳をくわえる。


「先ほどの話だと仕事を探しているようですね。」


え??なんで聞こえてるの?!大分離れていましたよね?ていうか

もしかしなくても近藤さんてお妙さんの・・・・なるほど。


「思われ人がいるなんて素敵ですね。」


もしかしてさっきのは愛情の裏返しなのかな。


「・・・ちゃんたら本当にもう。」


お妙さんは苦笑した。


「そうです!私はお妙さんのことをとても思っているのです!!

「お前はんなこと言うためにまだいるのか!!!!」


どごっと大きな音がして近藤さんが大きくせき込む。

すごい愛情の裏返しだ・・。近藤さんて相当タフだなぁ。


「違います・・。あの、よかったらうちで働きませんかと言おうと思って・・。」

「お前はあのチンピラ軍団にちゃんをいれるつもりかぁ!!!」


その言葉にお妙さんの目が光拳が光り輝くってぇ!待った!!


「お妙さん待ってください。私、お仕事ならなんでもこいです!!」


なんだかよくわからないけど、至極まっすぐそうなこの近藤さんが言うのだからきっと

悪いお話ではないだろうと思う。








とりあえず茶屋の人たちに迷惑がかからないように近藤さんには後でお返事をするといいお妙さんと変えることにした。

仕事内容は家事で、人手がたりないからいつでもぜひということらしい。

良いお話なんだけど


「真選組ですか。」


私のいた所でも聞いたことのある名前だ。

でもこの世界では少し違うらしい。

幕府を守るためにいるのは確からしいんだけど、警察のような組織らしい。


「あの人の一存よ。まぁ、あの人が言えばみんなが納得するんでしょうけど。」


近藤さんはその真選組の局長だということを聞いた。

そしてお妙さんのストーカーということもわかった。


ちゃんよく考えて決めてね。」

「はい。」

「すりよ!!捕まえてぇ!!」


その途端叫び声が聞こえる。

ずっと先に子連れの女性が倒れて叫んでいる?

そして走ってくる男?!

持っていた長袋から木刀を取り出す。


「それ・・?」

「銀時さんにいただきました。」


銀時さんに道場に入門したとうい話すと、護身用にといただいたのだ。

もちろんめだつから普段は長い袋にいれている。

走ってくる人の目の前に立つ。犯罪者が怖くないわけじゃない。

思い出すから・・。昔を・・だから許さない。


「女、どけぇぇ!!」


その走りはとても隙があった。


「は――!!」


いちおう胴にしたけど、男の人は目を回して倒れこんだ。

木刀だもんね・・。やりすぎた・・。

お妙さんは目を見開いていて、でもぱちぱちと拍手をして私の頭を軽くなでた。


「相変わらずちゃんの剣術はすばらしいわね。」

「いえ、そんなことありません!木刀は初めてで!!


この人・・あぁもう少し加減すべきだったぁ!」

木刀ってあまり握ったことない加減がよくわからなかった。

怪我させましたよね。どうしよう!!


「あぁ、これくらい正当防衛ですぜぃ。」

「へ?」


そこにはいつのまにか黒い服をきたとてもかわいらいい男の子がいる。


「それにしても驚きやした。あんた何もんでぃ?」

「え・・?私ですか??私は・・と申します。」


ぺこりとお時儀をするとその人は微笑した。この人すごい美少年だ。


「いや名前を聞きたかったわけでは・・まぁいいや。面白い人ですね。

  そう思いやせんか。そこののぞき趣味の土方さん。」

「誰がのぞき趣味だ!!」


ゆっくりと歩いて来た人は美少年くんとはまた違って、

黒髪に大人のかっこよさを漂わせる人だ。


「いや、何も言わず見つめているんですからそうなのかなって。
 
 それともそういうプレイが好きなんすか?

「総悟・・てんめぇ!!」


はぁとお妙さんがため息をつき行きましょうと私の手をとった。


「あっ!はい。」


確かにそろそろお夕飯の準備をしないといけない時間だった。


「あぁ、さん行くんですかぃ?ではまた。」

「はい。」


また今度会えるのかよくわからないけど、というかこの人たちは何なのだろうかとおもうのだけど・・。

でもきっと悪い人じゃなさそうだから、

私は笑顔で答えた。


「お妙さん、噂の真選組さんよばなくてよかったんでしょうか。あれ事件ですよね。」

「あら?気付いてなかった??あの人たちがその真選組よ。」

「えぇぇ!!」


近藤さんのようながっしりとした人たちがいっぱいなイメージだったけど違うみたい。







※おまけ※


「それにしても綺麗な太刀筋でしたねぃ。」

「あぁそうだな。」


それにしても変わり者だなと土方は思った。

このご時世に木刀を持ち、かつそれをああぁも綺麗に扱う女がいるとは・・。

それはひどくまっすぐで、自分達のような実践での使用にはいささか不釣り合いなものだ。

しかし基礎がしっかりしているということは、今後も伸びる可能性があるというもの。


「どうしたんですかぃ?もしかして惚れちまいましたか。」

「馬鹿いってんじゃねぇよ。」

「俺は結構気に入りやしたよ。別嬪さんで優しそうなのに、剣をふるう時のあの表情・・。」


視線がはずせなかったといえば嘘になる。顔立ちがきれだったのも認める。

つったく総悟のペースにのせられて俺も何を考えてんだか。


「あぁいう女性は染めがいがありそうってもんだ。」

「お前は・・・・。」

「あー、むっつりにそういう視線をむけられたくないんですが。」

「誰がむっつりだ!!」


二人が屯所につくと、機嫌のいい近藤が二人を読んだ。


「あのな、今日実はとても素敵な人に出会ったんだ。」

「あの女の話は」

「違う!お妙さんの話ではないぞ。」

「「?!」」


近藤の口から妙以外の話がでたことに二人が驚く。


「それでな、やめていった女中の代わりに働いてくれと頼んできた。」

「何勝手に決めてんだ。あんたはまったく・・」

「へぇ、土方さんまぁ話聞きましょうや。」


近藤の性格をしる沖田はまぁ嫌な女ならやめさせればいいと思っているのである。


「うむ。その人はさんと言って。」

「「?!」」

「ん?どうした??」





こうしては真選組の女中アルバイトをすることになったのである。