カレンダーを見るともうこっちに来て3カ月がたったことがわかった。

そして・・そうか今日は


出かけるネ!」

「へ?」

「おはようございます!」


玄関からは元気な新八君の声も聞こえる。


「ほら行くぞ。」


銀時さんもお出かけモードで・・私だけがよくわかっていなかった。









Tomorrow 6









「じゃ、僕たちは後から合流するので。」

待ってるアル。」


あれ?新八君と神楽ちゃんはそう言ってどこかに行ってしまった。


「銀時さん、二人がどこかに」

「はい、はここね。」


銀時さんのスクーターの後ろをさされて固まってしまった。

いや乗せてもらったことはあるけれど、なんていうかいつもは無理やり神楽ちゃんが乗ってきたりしていて、

こんな形で乗せれられるのは初めてだ。


「どした?そんなに拒絶されると銀さん傷つくよ。ガラスのハートがぼろぼろだよ?」

「いや・・あのそうではなく。失礼します。」


ちょこんと乗ると腕がとられ腰にまわるようにされた。


「離れると危ないから。しっかり捕まっとけよ。」

「はい。」


後ろに乗っていてよかったと思う。

顔が熱い・・

なんだか以前頬にされたキスまで思い返して、もうどうにかなりそうだった。






大江戸ストアについてしばらく待てば神楽ちゃんと新八君がやってきた。

どうやら二人はバスで来たらしい。


「ではレッツゴーネ!」


神楽ちゃんが私の手をひく。相変わらず可愛いなぁと思う。

その後ろを銀時さんと新八君がついてきた。

洋服や日用品、雑貨のお店を見たり買い物をしたり、

甘味を食べたり、まではいつもの行動だった。

それなのに、最後に夕飯の買い物をしようとした時、みんながいつもと違う行動をとる。


「はいはーい。今日ははお休み。」


そう言われて買い物かごを銀時さんが私からとった。


「お休み??」

「ここで神楽ちゃんと待っていてください。」

「え、何で?」

「行ってくるネ、下僕ども。」

「「何でお前が偉そうなんだよ!!」」


二人を見送ると神楽ちゃんがソフトクリームが食べたいというので

二人で買って食べることにする。

さっき甘いもの食べたけど・・おいしい。


。」

「どうしたの?」


そこにはソフトクリームをもったまま少し不安そうな神楽ちゃんがいる。

いつもなら即効で食べてしまっておかわりを止めるのが大変なのに。


「お腹いたい?」


そう聞くとぶんぶんと神楽ちゃんは首をふる。


「今日は楽しかったアル?」

「え?」


少しずつなんで今日こういうことになったのか確信がもてるようになった。

すごいな・・いつ話したかも忘れた話なのに・・。


「とても楽しかったよ。」

「なら良かったネ!!」


そう言うとすごい勢いでソフトクリームが神楽ちゃんの口に消えていく。

あーやっぱりもう少しひきのばせばよかったかなぁとか思う。


!あっ!やっぱなんでも」

「あと一個だけね。」

大好きネ!!」

その笑顔に私は今日も負けてしまった。





家に帰った後は、3人が夕飯を作ってくれるらしい。

台所ではいつもの3倍くらいの新八君の叫び声が聞こえる。

出来上がりの夕飯には大きなケーキがおかれている。


さん吹き消してください。誕生日おめでとうございます。」

「おめでと。ちなみにこれ銀さんのお手製よ。うまいよ。」

おめでとうネ!」

「はい。」


ケーキのろうそくを消した後、今度はもう一つ箱が手渡された。


「これは・・。」


箱をあけるとネックレスが入っていた。

丸い輪の中に万の文字が入ったもの・・。

涙がこぼれた。


「だ、だから僕は普通のデザインでいいっていったんですよ!!」

「何小学生の言い訳してんの?『僕はやめろっていったんですけどこいつらがぁ』って、

 だいたいそういう時には、そう言っている奴が一番楽しがってるっていう。」

「どんな例えですか!!」

は万事屋なんだからいいじゃねぇか?」

「きっと良く似合うネ!いつもつけてほしいアル!!」

「うん。そうする。」


その日のご飯はとてもとてもおいしかった。







※おまけ※

「お前それつけねぇの?」

「今日はもう寝るだけですよ。明日つけます。」


そう言うと銀時さんが私の手から箱をとった。


「じっとしてろ。」


首筋に優しくネックレスがかけられる。

なんだか妙にドキドキする。後ろから優しく抱きしめられたような感覚だ。


「よく似合うな。」

「は・・い。ありがとうございます。」

「どした?」


ぶんぶんと首をふりドキドキしていることを隠す。

失礼じゃないか。銀時さんはそういう意味をこめてやったことではないのだから。

止まれ・・このドキドキ!


「表情に出てる。見た目は大人で、こういうことには高校生って・・

 萌えポイント満載だな。」


そう言うと銀時さんの唇が額にふれる。


「いい夢みろよ。おやすみ。」

「今の!」


背中ごしに声をかけるとひらひらと手をふられる。


「まじないだ。いい夢みれるぜ。」


私はその場にしゃがみこむ。





無理だ・・


「こんなにドキドキしたら逆に眠れない・・。」


鏡ごしにネックレスを見てもう一度それを優しくにぎりしめた。