「なんでみなさんここに・・?」

「それはこっちのセリフですぜぃ。」

「総悟くん?」

「新選組の知り合いなのか。」

「はい。何もしてない人を捕まえるわけないはずなんですが・・。」

「かかれぇ!!」


ええぇぇ!!






Tomorrow 9









繰り広げられる戦いに混乱する。

その人は何かを爆発させて橋にとびのった。


さん巻き込んで申し訳ない。新選組よ、彼女は私と出会ったばかり、関係ない。」


だっとその人は走り去ってしまった。

当然隊士の皆さんも追いかけにいって・・。


「あの・・。」


そこには山崎くんが残っていた。


「申し訳ありませんが、屯所に一緒に来てください。」

「はい・・。あのさっきの人って・・。」

「そうだよ。さんが関わってるわけないんだ・・!!」


山崎さんが独り言をいう。そして頭をふった。


「疑いをはらすためにも行きましょう。」


よくわからないけどこのままでもいけないんだと思う。

山崎さんに頷き私は一緒に屯所に向かった。







道中で聞きわかったことは、さっきの人が桂小太郎といって攘夷藩士で有名な

危険な人ということ、その人を追っていてちょうどさっき皆とはち合わせたことだ。

知らなかったとはいえ、私は新選組の女中で、もしかしてつながりがあるのではと

疑いがかかてるということかな。

確かにそれならば山崎さんの言うように屯所に行かねばならない。

私は何もしていない。

畳にすわり目を閉じる。

先日攘夷藩士が捕まった時、ひどい拷問を受けたと聞く。

でも・・落ち着こう。私は何もしていないんだ。

大丈夫。

ばたばたという足音とともにふすまが開くとそこには土方さんと総悟君、近藤さんが

たっていた。顔はいつにもまして真剣そのもので、静めた心臓がまた少し早くなった気がした。


さんもうしわけない。これからいろいろ聞くが正直に話してくれ。」

「はい。もちろんです。」


近藤さんはそう言われて少し顔が柔らかくなった。だが他の二人はかわらず厳しい。


「ここではだめだ。」

「トシ!!」

「あんたは他の仕事をしてろ。こういうのは俺と総悟の仕事だ。」

「しかし!!!」

「近藤さん、あきらめてくだせぇ。」

、立て。」

「はい。」


通り過ぎる時に近藤さんに会釈をする。守ってくれてありがとうという意味をこめて。







全ての経緯を話す。

だが二人の視線は何も変わらない。


「お前は攘夷隊士で、スパイとしてここに来た。」

「違います。」

「本当か。」

「嘘なんか言っていません。」

「・・・・・。」

「・・・・・。」


土方さんと視線がぶつかる。


さん残念ですが、捕まった奴はたいがいそういうんでぃ。」

「だとしても私は嘘なんてついてません。さっきの人だってさっき名前を聞いただけです。」

「なのに、何もいわず怪我の手当てまでしたのか。」

「怪我してる人がいたら手当をします。ほっとけるわけないじゃないですか。」


出されたお茶を飲む。

それから少し体調がおかしくなった。






今は何時かわからない。でもとりあえず取り調べからは解放された。

体のしびれは少しとれた。でも頭がぼーっとする。

ふらつく足元でひざをつく。


さっ。」


ぐっと奥歯をかむ総悟くん。


「大丈夫ですから。」


総悟君を手で制止する。

嫌疑は保留という形で終わったのだ。

頭をさげて屯所を出るとそこには見知った人たちがいた。


「おっせーぞ、朝帰りたぁいつから不良娘になったのお前。」

アル!!」

さん無事ですか!怪我ないですか?!」


今はこの明るさで、

人気がないところを見ると朝なのだろう。


きっと


ずっと・・


ずっと待っていてくれた。


「あり・・がとう。」

「おい!おまっ!!」


誰かの腕の中に倒れこむ。




気を失う前に誰かの話声が聞こえた。