雲雀さんが勝って・・。
俺がゴーラモスカの暴走を止めて・・
終わるはずだった。
だけど・・
ガシャン!!
その音とともに、雲の守護者の中から出てきた9代目にみんなの視線が注がれる。
「どうなってんだ、モスカの中から・・。何で。」
「おいしっかりしろ。」
リボーンから九代目がゴーラモスカの動力源にされていたのではと説明をうける。
「どうしてじゃねぇだろ。てめーが九代目を手にかけたんだ。」
そんな・・
「誰だ。じじいを容赦なくぶんなぐったのは。」
「誰だ。モスカごとじじいを焼き切ってたのはよ。」
「そんな俺が・・。」
「違う!違う!違う!!!」
「・・さん。」
「違う、あなたじゃない。」
俺はさんに包まれた。
Venus 4
その途端、瀕死の九代目が動く。
「悪いのは私だ。」
「九代目。」
「やっと会えたね綱吉君。」
「え?」
「すまない・・。」
九代目が苦しそうに話し始める。
それはボンゴレの、XANXUSの過去の話、
8年前に起きたボンゴレ史上最悪のクーデターの話だった。
「綱吉君・・・。いつもリボーンから君のこと・・聞いていたよ。」
「しっかりしてください!十代目!!」
「・・お前にも私は・・。でもお前だからこそ」
十代目の指から炎がでる。俺とさんにふれたその炎はとても温かい。
しかしだんだん小さくなる炎・・。
俺の記憶がよみがえり涙を流すのと同じく、さんも涙を流していた。
「すまない・・だが君と、でよかった。」
「「九代目!!!」」
「よくも九代目を。九代目へのこの卑劣な仕打ち。実子であるザンザスへの、遂行なるボンゴレへの正死への挑戦と受け取った。」
XANXUSの言葉が続くたびに、俺にまわっていたさんの腕の力が強くなった。
怒りを押し殺している・・そうなんだと思う。
「俺はボスである輪が父であるため、ボンゴレの未来のために、貴様を倒し、かたきを討つ。」
「これがねらいだったんだな。」
「この外道!!」
全てが罠だとリボーンが話し終わったと同時に、最初に動いたのはさんだった。
さんが走ってXANXUSに向かっていった。
もちろん振り上げたこぶしはXANXUSによって防がれた。
「さん!!」
俺が呼んでもさんは振り向かず、XANXUSを見たままだ。
「俺に手をあげるとはいい度胸だな。女。」
「九代目を・・九代目をこんな風にして許さない!」
さんのこんな姿と声は始めてみた。感じられるのは怒り・・。
「やめなさい。あなたは戦闘してはならないはずです。」
チェルベッロの声にさんが手を振りほどいたその時
カシャン
さんのサングラスが落ちる音と共にバリヤーの人たちの表情が変わった?
「お前は・・」
XANXUSの表情も明らかに違う。
「私はあなたを絶対に認めない。」
サングラスを握りさんがこっちに戻ってきた。
XANXUSの表情は一瞬の思考と共にすぐさま戻る。
俺もさんと同じ気持ちだった。
「XANXUS、そのリングは返してもらう。お前に九代目の跡は継がせない。」
「よく言ったぞツナ。」
だから、俺は戦いを選ぶ。
「十代目の意志は」
「俺達の意志だ。」
みんながそれに続いてくれた。
結局仕切り直して『大空のリング戦』の開催が決定した。
その夜
「さんって何者?」
「なんでそんなこと聞くんだ?」
リボーンが俺に聞き返す表情は普段と変わらない。
おれの気のせい?
「さんのサングラスが取れた時のヴァリアーの人たちの表情が変だった気がして・・気のせいならいいんだけど。」
フットリボーンが笑う。けどそれはどこか悲しさが混じっているような笑み・・。
「お前の超直感はどんどん進化するんだな。」
「それって」
「この戦いが終われば見えてくる・・お前も早くやすzzz」
「リボーン!!」
鼻ちょうちんをだして眠るリボーンにため息をついて俺も眠ることにした。
『私は7才から10才ぐらいまでの記憶がないんです。』
苦笑したさんを俺は覚えている。
XANXUSが起こしたゆりかご事件・・それがその時期とかぶっているのは
気のせい・・だよな。