「これがボンゴレ後継者の証。つ、ついにかなったぞ。
これで俺はボンゴレの10代目に・・うっうぁ!!」
虹色の光が次第に色を一色にかえ、XANXASはその苦痛に表情をゆがませた。
そして倒れる。
「リングが・・拒んだんだ。」
「さぞかしいい気味だろうな。」
「そうだ、俺と9代目は本当の親子なんかじゃねぇ!」
その事実にだれもが驚いた。
Venus 8
「XANXUS」
「同情すんな!カスが!!」
「XANXUS・・俺にはわかるぞ。お前の裏切られた悔しさと恨みが・・俺にはわかる。」
「生きてやがったか。カスザメ・・。わかるだと?てめぇに俺の何がわかる・・。知ったような口をきくんじゃねぇ。」
「いや、わかる!俺は知っているぞ!」
「ふざけるな。なら言ってみろ、俺の何を知っているかを!!」
そのXANXUSの言葉にスクアーロは苦悶の表情を浮かべた後しゃべりだす。
「あの日、お前が9代目に氷漬けにされたあの時俺にはまだかすかに意識があった。」
「!!」
「聞こえていたんだ。あの時・・お前は」
語られたのはXANXUSが自分の過去を知りそれを黙っていたことを9代目に責めたこと・・
その後スクアーロが調べたXANXASの生い立ちだった。
貧困が生んだ悲劇、優しさがまねいた悲劇・・。
そして全てを兼ね備えた時にしった悲しき真実・・。
「そして9代目の息子としてふてぶてしくでかくなっていったんだ。
お前は威厳、実力ともに9代目の後継者として文句のない男に成長した。
そして・・大事なものを手に入れかけていた。
このままなら手に入れ全てが揃うはずだった。」
大事なものか・・手に入れるはずだったなんて一つしかねぇよな。
やはりそうか。XANXUSはを・・。
「だが・・或る時お前は知っちまったんだろ、真実を。」
そしてスクアーロがその時にXANXASに出会い、その怒りに惹かれついていこことを決めたことを話した。
「そしてゆりかごに繋がるんだな。」
「これが俺の知る全てだ。」
「くだらねぇ、くだらねぇぜ」
「9代目が・・裏切られてもお前を殺さなかったのは、
最後まで、お前を受け入れようとしていたからじゃないのか。9代目は誰よりお前を認
めていたはずだよ。9代目はお前のことを本当の子どものように・・」
「うっせー!!気色の悪い無償の愛などクソの役にもたつか!!」
「本当に・・本当にそう思うのですか!!」
の大声にXANUXSが苦い顔をする。
何かを思い出しているのか。
「カスは俺をあがめてればいい!俺を称えていればいいんだ!!」
「かっけぇ。」
「愛なんて金にならないもんね。」
「それは違う。絶対に違う!!」
「「!!」」
「そんなの・・悲しいだけじゃないか。なぜそうなるんです!!」
「く・・黙れ!」
「黙りません!!」
「かなわねーなら叶えるまで。邪魔する奴は消し去ってやる。」
そして再び戦闘が始まる。
しかし、ランチアという奴も乗り込み、
ヴァリヤー側は形成逆転されどうにもできない。
勝負・・あったな。
「リングの秘密を知っていたら」
スクアーロが語りかける。
「XANXUSはボスの座を諦めていたと思うか。」
「どうかな。」
「諦めるわきゃねぇ!!!より怒りをもやし、掟ごとぶっこわしたはずだ!!」
その声に俺も同意した。
キャバッローネのボスとして、
自分の守りたいもの、
大事なものがかかれば俺とて戦う。
何があってもだ。
全て終わったか。
「XANXUS様、あなたを失格とし、ボンゴレリングを没収します。」
「チッ。お前達の望みどおりだ。予言が当たり満足か。」
「お言葉ですが、これは我々の望みでも予言でもありません。全ては決まっていたこと
貴方は役割を終えたのです。」
何もかも・・そうだなにもかも
「たわけが・・。」
そう思った瞬間何かがはじかれる音がする。
「貴方は」
「役割を終えたのはあなた達では?お帰りください。」
この声は・・。
「そうですか。それでは。」
頬に触れる手・・いつもなら振り払う手を振り払えねぇ。
同時に何かしずくがあたる。
馬鹿馬鹿しい・・はずだ。
優しさ、涙など・・不要なものだ。
「私には昔の記憶がありません。10年前〜8年前の2年間です。
思い出せないけれど・・心が感じるものがある。」
「私は・・あなたが嫌いです。でも・・よかったと心のどこかでほっとしている。」
閉じそうな目を見開けば
そこには涙を流す女の顔がある。
泣く女など面倒くさいだけだ。
だが目を閉じる前に見れた顔がこれでよかったと思えている自分がいる。
すべてが終わり、
待ち受けるものは何一つ良いことなどないだろう
だが・・
全て
失われたわけではない