『今日は飲み会と聞きました。
 
 終わったらご連絡をいただけますか?』

『ボスには話してあるのか?』

『いえ、私が行きたいだけです。

 いつもと逆に私がディーノさんを迎えてあげようと思って。』

『何時になるかわからねぇぞ。』

『いいですよ。大丈夫です。』

『了解。待ってな。』

『ありがとうございます。』


「どうした?」

「いや、なんでもねぇよ。」


大喜びする光景が目にみえている。










Venus 11










ようやく飲み会が終わったのが深夜を回った時間だった。

『終わったぞ。』

携帯をだし、会場をにメールしてやる。


「あー!まじで・・くそ・・。」


酔っぱらってやがる。

ボスがここまで飲むのも珍しい。


「なんであいつらがといられて俺がいられないってんだ!」

「仕方ねぇだろ。」

「仕方なくねぇよ!!」


最近、ボスの最愛、いや溺愛の婚約者である

あろうことかボンゴレの危険部部隊ヴァリアーのもとに派遣されることになった。

まして聞けば、は昔そこに住んでいて、

ボスであるXANXUSの気にいりだっていうことらしい。


「心配か。」

「あったりめーだろ!」

のことだ、何もねぇよ。」

を信頼してないわけじゃねぇ。

 あんな危険人物どもの巣にあいつがいることが問題なんだ。まして・・。」


そこからは語らねぇ。

まぁある意味こいつの成長か。

好きな女を守りたいだとか、他の男に渡したくないと言えるぐらいの奴になったってことだ。

リボーンさんに今度教えておくか。

と思っていればが走ってこっちに向かってくる。


・・。」

「はい、ディーノさん。」

「?」

「珍しく酔われてますね。」

?!なのか!?」

「はい、そうですってわ!!」

「やばい、本当だ。」


公衆の面前で抱きしめるってのはどうだ。

まぁ末期ってことか?


「おいおいボス、が困ってるぞ。」

「うるせー!」

「ディーノさん・・。帰りましょう。私も一緒にお送りします。」

「帰るのか?」

「帰らないでどうするんです。明日もお仕事ですよ。」

「お前も仕事・・だよな。」

「はい。でも大丈夫です。私はいつも通りです。」

「・・・・。」

「いつも通り、ディーノさんがいてくれるから大丈夫なんですよ。」

。」

「それはだめです!!」


ボスのキスをとめる必死のに、俺達は大爆笑してしまった。







何度も諭してようやくボスを車に乗せた。

もちろんも一緒だ。

そしてその途端、ボスはの膝に頭をのせて眠りこけてしまった。


「だらしがねぇ。」

「それだけ疲れていたんでしょう。」


ボスの髪をやさしくすくの表情が少し切なさを帯びている。


「今日はどうしたんだ。」


そう問えば少し思案しては話しだす。


「心配させているかと思って・・。」

「心配?」

「年上のディーノさんに失礼とは思うのですが、

 ディーノさんは私のことを大事に思ってくれていると思うんです。」


そうだな。もう大事すぎるぐらいなもんだ。


「だから・・その・・ヴァリアーのもとで働くことを心配してくれているなと思ったんです。

 自意識過剰なんだとは思うんですが・・。」

苦笑している

が考えている心配とはこのボスが考えてる感情は少し違うんだが、

そういうことに気付いてさりげなく行動できるとは、

いい女を婚約者にもったじゃねぇか。


「外れてはいないな。まぁお前が来てくれたことはよかった。

 朝起きてどこまで覚えてるか疑問だが。

 むしろ覚えてなくて教えてやったほうが面白いかもな。」

「いい関係ですね。うらやましい。」

「そうか?」

「今日はありがとうございました。」

「こちらこそ。」







この先どうなるかは俺にもわからない

だが、この二人ならば

キャバッローネは確実に安泰なんだけどな。