「間違いないわよぅ!」

「あの格好・・門外顧問か?」

「じじいの差し金じゃね?」

「今まで探せなかった理由は不明のままだけど、間違いないよ。」


カスどもの声が勘にさわる。わかっている。

間違うはずはない。








Venus 4.5







背は高く、女らしく、

そして紫水晶のような目の光はより強くなった。


『私は絶対に認めない。』


あの頃と違うことは俺に対して絶対的な拒絶をみせたこと・・気に食わねぇ。


「どうする!おい!!ボス聞いてんのか!!いってぇ!!!」


手元のメモの重石を投げる。

なんでこいつはこう毎回うるせぇのか。


「馬鹿が。変わらないだろうが。」


ごちゃごちゃ考えるなんてカスどもらしいがな。


「問題など存在しない。俺が10代目だ。」


あいつをじじいが預かり育てたとしても関係ねぇ。

俺の時間は動きだしたのだから、あとは奪われたものを全て取り返すまでだ。

例外など存在しない。


『私はボスについていくよ。』


お前もだ・・








夢をみた。最近見ていなかったのに・・どうしてだろう。

私はどこかを走っていた。

なぜか周りにはたくさんの人が倒れているのに、私の足は止まらない。

ドアを開ける。そして次に思い出すのは



悲しみ



絶望



そして激しい自己嫌悪。



ひどい頭痛が襲う。


「っ!!」


はぁっはぁっ・・

呼吸を落ち着ける。

汗まで・・かいちゃってる。

同じ夢。

小さい頃はよく見てた夢だった。