「いや・・えっとそれはさすがに」

「でもは男の人の相手が嫌なんでしょ?」

「うん・・。苦手だし。」

「なら大丈夫!は綺麗な顔立ちだから純粋な男の子系で攻めればいいわ。


あの店ったらそういうキャラが少ないから大丈夫よ。」

ニコリと、とてもさわやかに言いのけた友人を見て私は苦笑する。

そして私のアルバイト先が決まったのだった。










 

君に夢中1









アルバイト先を探している。

高額給付で夜勤の場所といったら、すでに社会人の友人に「お前世の中なめんなよ」

言われるかと思いきや(いや妙なら本当にいいかねない!!)紹介されました。

ここ、『シルバーソウル』・・。

ここは歌舞伎町でも有名な店で、ホストクラブという類の場所らしい。

女の私がなぜホストクラブかといえば・・冒頭で紹介したようにキャバクラのように

男の人に対してその・・なんていうか慣れていないから、キャバクラを拒否したせいだ。

いや、もっとましな場所もあるだろうけどやはり高額給付となるとこういう店がよいと聞いた。

妙の紹介で、どうやら支配人さんはやり手だが、人情に厚い人というし!

だがやっぱりこうして店の前に立つと正直緊張してしまう。

最初の挨拶はどうしよう・・・



「あーあんた誰です?」


やっぱり元気に?


「はじめまして!」


いやいや!もう少しここは落ち着いていくべきじゃないか。


「おーい。」

「はじめまして。」

「だめですねぃ。完全にいかれてらぁ。」

「はじめ」

「おい。」




・・・・・・・・・。




・・・・・・!





「?!」




声をかけられた背後には栗色の髪の綺麗な顔立ちの男の人と、

とっても色気のある黒髪のかっこいい人がたっていました。

今の見られた?ていうか完全に見られた?!


「もちろん見たでさぁ。」


心をよまれた!!いやーー!!


「見たことない顔でぃ?新人かい?」


涙目でぶんぶんと首をふる。

どうしよう・・もうどうしたらいいですか??

穴があったら入りたい!!

栗色の髪の男の人はじっと私をみてにやりとなんだか含みのある笑みを見せた。


「挨拶の練習だったんですかい?」

「そ・・それは!」

「いやぁ、立派なこころがけですねぃ。初めは元気に行きましょう、

 そして次は落ち着いてって?」

「!!」

「総悟・・やめとけ。」

「えー、だってこいつ面白いんでさぁ。なんつうか俺のS心に火がついたっていうか。」

S心って!!

わかってていじめてたの?!


「新人。」

「はい!」


落ち着いている黒髪の男の人がくわえていたたばこをとり白煙をふきだす。

一つ一つの仕草がとてもかっこよくてつい見惚れてしまう。

声も落ち着いていて心地いい。


「こいつなんざ無視していいからさっさと入れ。」

「はい!!」


急いで入るとそこは少し薄暗い場所で、入口で支配人らしい女性が待っていた。

少しこわもてなんだけど・・この人だよね??


「ついてきな。」


そう言われてついたのは一番奥の部屋で、きっと支配人さんの部屋なのだろう。


「あの、初めまして、です。こうした仕事は初めてですが、一生懸命働きますのでよろしくお願いいたします!!」

「力入りすぎだよ、あんた。」

「え?」

「私は支配人のお登勢だ。事情は妙から聞いてる。
 
 まぁやるからには徹底してやってくれよ。そして秘密は厳守。

 何か困ったことがあったら私に言いな。以上、終わり。」


微笑してお登勢さんは仕事をまとめた書類をくれた。優しい笑顔にちょっと感動!


「それ、あんたの自前かい?」

「いえ、かつらです。」


お登勢さんに指差されたのはかつらだ。


「妙にいただきました。これが似合うって言われて・・。中はもう少し長い髪なんです。」

「そうかい。この仕事のために切ったのかと思って少し心配したよ。」


髪の量がもともと人より少なめでよかった。素人の私でもうまくかつらを装着できる。

黒髪の短髪。そういえばさっきの人も黒髪の短髪だった・・。

あ・・あの人さっき私をあの少年から助けてくれたんだよね。

お礼言い忘れちゃったな。


「そうそう。来ておくれ。」


私が考え事をしている間にお登勢さんがホールに電話をかけて、

一人の男の人が来た。眼鏡をかけたその人は私を見ると優しそうに微笑む。


「ホールや裏方を担当する新八だよ。仕事でわからないことはこいつに聞くといい。」

「志村新八と言います。よろしくお願いします。」

志村・・あれどこかで??

ってまさか妙の?!


「どうかしましたか??」


って私は今男で!ばらしちゃいけないよね!!


「いえ!・・です!!よろしくお願いいたします!!!」

元気のある人ですねなんて新八さんは笑って、その後仕事開始時間まで

私に店の案内や仕事を説明してくれた。

その間に


「おっ!新八君、そいつは新人か?」


がたいがよく人の良さがにじみでたかっこいい人がいた。


「はいと申します。よろしくお願いします!」

「元気がよくていいな!何か困ったことがあったら聞いてくれ!力になるぞ!!」


一瞬でいい人っていうのがわかった。

大声で笑うところが豪快で、でも何か困ったらこの人にも相談しようかな。

安心できる感じがした。


「おや、そいつは?」

「あぁ桂さん、この人は新人のですよ。」


黒い長髪のこれまたとても綺麗な人に出会った。

いっけんすると女性っぽいけど、凛とした美しさがここにある。


と言います。ホールや裏方を担当します。よろしくお願いいたします。」

「あぁ、私は桂小太郎だ。よろしく頼む。」


うん、良い人そうだ。


「あれ?このかわいこちゃんはどうしたの??」


へ?かわいこちゃん??どこだろう?

どこにも女性はいないんだけど・・。


「いやその仕草、どうよ。」


フッと笑われて何がおかしいのかわからない。


「かわいいってのはお前のことよ?」

「お前って・・わじゃなくて!!俺ですか?!」


危ない私とかいいそうになった!!ってそこじゃなくてね!

まさかもう男装に無理生じてますか?

そうなんですか!?


「銀さん・・新人をからかって遊ぶのはやめてください。」

「いや本当のこと言ったまでよ。小学生の頃、きゃーかわいい!とか、
 
 成長してもこのままでいてー!!とか言われ続けてモテてきたタイプだろ?」

「いや・・もてた経験はあまりないんですが・・。
 
 あっ!自己紹介が遅くなってすみません。です。
 
 今日からここで働きます。よろしくお願いします。」

「おう。俺は坂田銀時だ。銀さんでいいから。よろしく。」


弁がたつ人だ・・しかも銀髪がとても似合っていた。

女性の扱いがうまそうだなぁと思っていると案の定、

小声で新八さんが


「あんなのですがここではトップの2人のうち1人なんです。」


と教えてくれた。

あぁ納得・・。


「おんや、かわいい新人さんね〜!」


なんか今までと少し違ったタイプの人だ。

明るい太陽のような雰囲気をもった人に出会った。


「おんし名前は?」

「はい!と申します。」

な、覚えとくわ。俺は坂本辰馬じゃけ。よろしく頼む。」


頭をぐしぐしなでられた。嬉しいような・・かつらとれますから!!で焦るようなでした。

そして開店前のソファに座っているすごく色っぽい人がいた。

片方の目が眼帯で覆われている。

目が合う。

その人がそらさないので・・私もそらせなかった。


「あぁ、あの人は・・そうだな一応挨拶にいこうか。あの人は高杉晋介さんといって
 
 さっきの銀さんとトップを争っている人だよ。」

「は、はい!」


だんだん近づくごとに緊張感が増す。


「高杉さん、この子は新人の」

です。よろしくお願いします。」

「なんでお前のようなやつがここにいるんだ?」


え?今煙管肩手に何ていいました?


「高杉さんこの人は新人で」

「そんなこと聞いてるんじゃねぇよ。ちょっとお前ひっこんでろ。」


いや!それはだめでしょう!!

「・・・わかりました。」

こら!眼鏡!!このヘタレ!!

何あんたは女をいや、今男だが、一人こんな危険な人の前に差し出して逃げんの!?

馬鹿!あぁ本当に行っちゃった・・・。


「で?」


いや・・で?って。


「えっと、お金がいることになって夜のこういうバイトは賃金が高いのでっ!!
 
 ゲホっコホッ!!」

ぐっとネクタイをひかれて息苦しくなる。一瞬で高杉さんと顔が近くなる。


「意味わかってねぇのか?俺はお前のような奴がと聞いたんだ。


隻眼の厳しい瞳に見つめられ、冷水をあびせられたような感覚になる。

心臓の鼓動が早い。え?だって何いってるんだ??

まさかこの人・・気付いて?


「おい、新人いじめんのもたいがいにしとけ。」


さっきの黒髪短髪の人がいて高杉さんがつかんだネクタイを自分でつかみ、

それに気付いた高杉さんは離してくれた。助かった・・。


「お前には関係ねぇだろ。」

「開店前に問題起こされたら迷惑なんだよ。」

「うっせーんだよ。」

「今のうちでさぁ。」


ぼそっと耳打ちされてそこには栗色の髪の男の人がいて私の腕をひいていった。

少し離れたところに行くとにこっとその人は笑った。


「あいつは危ないから気をつけなせぇ。」

「わかりました・・。」


本当にびっくりした。でもいつかちょっと話をしないと危ない気がする。

あの人の本意が計り知れない・・危険だ。


「自己紹介がまだでしたね。俺は沖田総悟。」

「私はです。先ほどは本当に助かりました。ありがとうございます。」

「いえいえ、まぁさっきの光景もなかなか見どころがありやした。


あんた本当に才能ありそうで楽しみだ。」

才能?さっきの言葉を思い出す。


『俺のS心が・・』


この人も十分危険じゃん!!


「おい新人、問題は起こすなよ。」


いつのまにか黒髪短髪の人が戻っていて、新しいたばこに火をつけていた。


「あの・・さっきから何度も助けていただき本当にありがとうございました。」

「別に助けたわけじゃねぇよ。厄介事が面倒なだけだ。」


一見厳しそうだけど、絶対違う。


「ありがとうございます。」

「・・・・。」


あっ、微笑した・・。

その顔はとてもとてもかっこよかった。


「お前名前は?」

です。」

「俺は土方十四朗だ。」

「よろしくお願いします、土方さん!」

「あぁ。」






こうして私の危ない生活?

がスタートしたのだった。


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