夕やけにそまる
その綺麗さに
目を奪われてしまった
君にとどけ 1
ここはとある特別な学校。
様々な特異な能力をもつ人達が通う学校であると聞かされている。
「楽しみだな姉ちゃん!!」
かくいう隣の弟も同じようにとても特別な力をもっている子で、
といっても足技が得意ということなんだけれど・・。
私達はとある縁でこの学校に通うこととなった。
クラスはそれなりに数が多いみたい。
転校生は結構あるが、男子が多い学校と聞かされていたため
女子の私は少し緊張していた。
しかも転校するクラスは特別クラスらしい・・。
私は普通の人間なんだけど・・・。
教室にはいるとおおっと声があがった。
見まわせば女子もいるようで少し安心。
「んじゃ、はサンジの横だな。」
「マジっすか!!どうぞ!さん!!」
長身のとってもハイテンションな男の子が私を案内してくれた。
「ここの男子は暑苦しい奴らばっかりだけど、まぁ悪い奴らばかりじゃないわ。」
「にぎやかな毎日で退屈しないわよ。」
その後、教室でたった2人の女の子であるナミちゃんとロビンちゃんとも
お友達になれた。
とっても美人でモデルのような二人、さばさばしているけど優しい人たちでよかった。
「よろしくな!ニシシ!お前肉好きか?」
「お肉?好きですよ。」
「気があうな!俺も肉好きだ!」
机につっぷしてとっても素敵な笑顔で笑うこの人はルフィさん、
さっきナミちゃんやロビンちゃんに聞いたけど、
このクラスの中心人物らしい。
「ルフィ!お前なれなれしいぞ!」
「うるせぇ奴だ。」
「んだとマリモ!!」
「まぁこんな騒がしいクラスだが、歓迎するぜ。」
この人はゾロさんでなんだか朝からサンジさんと喧嘩ばかりしている。
でも喧嘩するほど仲がいいというし、とてもいい学級に来れた気がした。
放課後はそれぞれが部活にでている。
ナミちゃんはヨット部だし、ロビンちゃんは考古学研究会に入ってると聞いた。
私はというと部活に入るかは迷っている。
あれ?
どうやら入り組んだ廊下の突き当たりにきていた。
人気もなく静まり返ったそこには
「図書室?」
ドアをおそるおそる開けてみると誰もいない。
たくさんの蔵書があり、結構広い室内にびっくり。
そういえば専門書もたくさんそろっていると学校説明で聞いたっけ。
見まわしながら辿り着いた場所の机上に一冊の本が置かれてる。
「これ・・・。」
古びた装丁だけど見覚えが合った。
昔もらった医学書だ。
こんな本まであるのかという驚きと、昔を思いだす。
家の中にはあると思うがどこにいったかわからない本。
懐かしい、何度も読んだ文面・・
懐かしい思い出・・・。
気付けばもう窓から西日がさしている。
どうやら読みふけってしまったらしい。
「?」
ふと誰かの気配を感じると、すぐそばの窓辺に一人の男の人が立っていた。
長身で顔だちが整っていて・・とても綺麗な人だ。
私の視線に気づいたのか、本を読む手をとめてその人は私の方をみる。
あれ?この人の持っているのって医学書?
ということは・・。
「もしかしてこれ・・。」
「別にいい。お前の後に借りる。」
「ごめんなさい!あの、いいですから。」
気まずくて走って図書館をでた。
何冊か医学書を選んでいた時、
ふと置いていた机に人がいるのがわかった。
女か・・?見覚えがねぇ・・。
とはいってもこの学園の人間の顔なんざ全部覚えちゃいない。
女は置いてあった本をどんどん読みすすめる。
その本は医学書で、しかもこの国以外の言葉で書かれているからそうそう読めないはずだ。
医学部の特待生か?ならさすがに顔はわかるはずなんだが・・。
その目は優しく、俺は声をかけずに他の本を読むことにした。
一時間くらいたったころ女が俺に気付き、見あげた。
「もしかしてこれ・・。」
「別にいい。お前の後に借りる。」
本を指差し、あわてる。
「ごめんなさい!あの、いいですから。」
そして走り去ってしまった。
別に本当によかったんだが、まぁいいだろ。
それなりに綺麗な顔立ちをした、医学書が読める女・・・。
これが最初の
私と
俺の
出会い
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