目を覚ますとそこは・・
知っているようで知らない世界だった。
そして始まる
Tomorrow 1
起きてみるとそこはなぜか川べりで・・。
「ここ・・どこ?」
ぼーっとする頭を動かすために歩いて道に出ると、わけのわからないものが歩いて行く。
あれだ、遊園地にいる中に人が入っているような・・。
つまり人ではないような者たちが歩いている。
夢にしてはなんだか・・すごい夢だ。
かと思うと通りすぎる普通の人たちは着物姿だし。
おかしい・・どこかおかしいと思う。
「私こんなに想像力が豊かだったかなぁ・・。」
頬をつねりながらそうつぶやく。
とにかく起きるまではどうにかしないと。
そう考えていた私の目に大きな看板が映る。
『万事屋』
って・・たしかなんでも屋という意味だよね??
とにかくわらにもすがる思いで私はチャイムを押した。
何度目かの呼び出しで出てきた人は眼鏡の男の子だ。
「はい、新聞なら・・って。」
しばしの沈黙になんだか居心地が悪くなる。
何だろう?私何かした??
「あの。」
「は、はい!すみません!!」
「ここ万事屋って書いてありますけど・・ちょっとお聞きしたいというか。」
「まかせてください!」
すごい勢いで返事をされる。
元気のいい素直そうな人・・。
「今度は美少女を送り込む手に出たカ。お主も悪よのう。」
ひょこっと眼鏡の男の子の横から顔をだしたのはチャイナ服に身をつつんだ
可愛い女の子だ。肌の色白いし、髪もピンク色とお人形さんみたいというのは
こういう人のことを言うよね。
「いや、それ色々間違ってるから!」
「新聞屋に魂を売ったお前に言われる筋合いないネ。このアバズレ!!」
「だれがだ!そこの人はお・きゃ・く!!」
「へ?客ネ??」
「えっと・・。」
客と言われると困る。
これは私の夢の世界のはずで・・でもなんだか全然起きる気配がなくて、
ここはどこですかなんて漫画のお話のようなことを聞こうと思ったのだけど・・。
「おい、お前ら玄関でわいわいやてんじゃねぇ。発情期ですかコノヤロー!」
「?」
今度出てきたのは銀色の髪の男の人だ。
その人は髪をかきながら何も言わずに私を見つめてくる。
「・・誰この美少女?いやなんていうか」
「へ?」
「男のロマン?」
「ストッーーーープ!!あんたせっかく来た仕事を棒にふるつもりかぁ!!」
何やらどたばたしている中、私は家にあげてもらうことになった。
「・・というわけなんです。」
「えっとつまり・・この世界の人間ではないと?」
「はい。」
「天人でもないアルカ?」
「いやその天人っていう単語自体知りませんし。」
ここはサムライの国で、幕府があって・・聞いたことのある話だ。
そう江戸時代から明治時代に変わる時に似てる。
でも天人なんていないし、こんなに電気の普及している時代のことなんかじゃない。
どこか知っているようで知らない世界に私は迷い込んでしまったのか。
もう夢じゃないことはわかってる。
こんなのはおかしい。
どうしよう・・。
「あの・・。」
「あっ!すみません。」
どうやら考えにふけっていたようで、志村さんの言うことを聞いてなかったらしい。
「いや、何ていったらいいか。」
「ありがとうございます。」
「は?」
心配してくれたんだろう。志村さんは優しい人なんだ。
「とりあえず・・状況はわかりました。」
これ以上は迷惑をかけられない。そう考えて私が席をたとうとすると
ぐいっと腕をつかまれる。
「どこいくネ?」
「えっと・・とりあえず住み込みで働ける場所を探します。」
なんていうか・・もうどうしようもないと思うと涙って出ないものだなと思う。
とにかく私はこの世界に一人なのだから自分でどうにかしなければいけない。
「あんた甘いものは好きか?」
それまでぼっとしていた坂田さんが私を見た。
「はい。」
「ちなみに菓子作りとかできちゃったりする?」
「多少なら。」
「採用決定。」
「え?採用??」
「やったアル!よろしく。」
「へ?」
「銀さん!」
「何だよ文句あんのか?」
「いえ!!さんよろしくお願いします。」
急展開に頭が動かない。えっと、つまり私はこの万事屋に住み込みで働かせてもらえると
いうことなのだろうか。
坂田さんを見ると、ふっと微笑まれる。
自分でも信じられないことをこの人たちは信じてくれた。
しかもこんなに・・優しくしてくれる。
「よろしくお願いいたします!」
こうして私の新しい生活が始まった。
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