その日はバイトもない日で、久々に料理でもして
新ちゃんを驚かせようかななんて思った日だった。
Tomorrow 2
帰宅してみると、うちの道場の看板をぼっと見つめる可愛い女の人がたっている。
父の知り合いかしら??
「どうかされましたか?」
「あっ!すみません・・。あのここ何の道場ですか?」
ばつが悪そうに顔を少し赤くしてその子は小さな声で聞いてきた。
「剣術の道場よ。すっかりさびれちゃったけど。」
廃刀令のせいで門下生がいなくなり形だけになった道場、
はぁ門下生入らないかしら・・。
「あの、ここって私も入れますか。」
うんうん、そうそうはいってくれる人を待っているのよ。
ん?
「やっぱりだめですか。なんていうか女性が剣をもつっていう世界
ではなさそうですよね。しかも廃刀令とかでてますし・・・。」
「な!そんなことないわ!!でも本気なの?」
「とある事情で、私別の場所で剣術やっていたんです。
この国でうまくいくかわからないけど・・。」
「別の国ってあなた天人?」
「いえ、それとは違って・・・。」
そこからその子は少し苦い表情をみせる。
何か事情があるのね。
「入門するにも、とにかく入ってお話しましょ。まだ私貴方の名前すら知らないわ。」
その子ははっとする。
「私はと言います。」
「私は志村妙よ。よろしくね。」
「はい!」
その後、ちゃんから話を聞いて私は驚いたけど、
とても真直ぐな剣に対する姿勢にもちろん入門を許可した。
「ただいま。」
「お帰り新ちゃん。」
「姉上・・ってこれどうしたんですか?!」
ずらりと並んだ料理に新ちゃんが目を見開いた。
「私が作ったのよ。おいしく食べてねv」
「いや、絶対うそだろ!!」
ひどいわねぇ、新ちゃんたら。
「この声は・・新八さん!」
「さんーーー?!どうしてさんがここに??」
「道場に入門させてもらったんです。これからはこちらでもよろしくお願いいたします。」
「え?よろしくおねがってえぇぇ!?」
「だからきょうはお祝いなのよ。」
本当はお祝いの料理は私が作ろうとしたのだけれど、
途中で心配してくれたちゃんが作ってくれることになった。
しかもこれがうまいのなんのって、今度お料理習おうかしら。
久々のにぎわう食卓に、これからがすごく楽しみになった。
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