それを知ったのは三日前だった。
「バジルが単身日本にですか?!」
「そうだ。」
「私も・・行きます。バジルには相手が悪すぎます。」
「俺が止めてもか?」
にらみ合うのは私の上官である門外顧問お館様だ。
「行かせてください。」
「・・・運命か。」
「運命?親方様?」
「いや。俺も日本にむけて旅立つ、お前は先に行け。ただし約束しろ。」
そして私はイタリアを旅だった。
Venus 1
ここが並盛か。すごく落ち着いた街なことに驚く。
日本は治安がいい。昔住んでいたからそれは知ってる。
ただ、何せその記憶はだいぶ昔だし、ボンゴレの10代目が住むってくらいだから
どんなところか心配していたんだけどっと、急がないと!
道を走った。まずは10代目に接触しよう。
バジルに何もなければ10代目にあって任務を達成しているはずだし。
思い出すのは少し暗めの金色に澄んだ水色の瞳をもつ弟のような男の子。
ドカーン!!
ずっと先で煙があがる。
「っ!!バジル・・無事でいて」
そこにつけば、もう戦闘は始っていた。
倒れている人間が二人。そしてあの長身でシルバーの長髪、手には剣。
書類で見たことがある。あれは暗殺部隊バリヤーのスクアーロ!?
最悪なことに想像はあたっていたのね。
親方様の約束がよみがえる。
『最後までお前は戦いには参加するな。』
9代目との約束のサングラスに手をおく。
「どう殺していいか考えろ!!」
スクアーロの声に持っている長い袋に手をかける。
親方様・・。
「やめときな。」
「ディーノさん?」
そこに立っていたのはキャバッローネの人たちとディーノさん。
もちろんディーノさんの横にロマーリオさんが立っている。
「話はきいてる。ここは俺達にまかせとけ。」
優しく笑うディーノさんに緊張が和らぐ。
「心配すんな。あいつも俺達には早々手はださねぇよ。」
ロマーリオさんも私をみてフッと笑った。
「お願いします!」
「あぁ。そこで待ってな。」
「変わんねぇな。」
そういったディーノさんを見てスクアーロは表情をかえる。
そしてその場を去った・・ボンゴレリングの片方を奪って。
「っ・・。」
「バジル!!」
「姉者・・すみません。」
どさっと倒れるバジルを抱きしめる。
傷だらけで、倒れた表情には疲労がみえた。
はっきりした。
『独立暗殺部隊バリヤーが間違いなく動き出したこと』
『そしてその目的はボンゴレリングを奪い・・10代目の座と守護者の座を奪うこと』
「させてたまるものか。」
近くの病院にバジルは搬送されたが命に別条はないとのことでほっとした。
ちょうどいい。しばらく休んでね。
そう思い病室を後にする。
「ディーノさん。」
「坊主は大丈夫だったか?」
「はい。ディーノさんとキャバッローネのみなさんのおかげです。
本当にありがとうございました。」
「いや、いいって。そんなに丁寧に言われるとこっちが照れるぜ。」
ディーノさんとは同盟ファミリー上、会えば私をきにかけてもらいお兄さんのように私は感じてる。優しくて、本当に素敵な人だ。
「お礼に今度何かします。考えといてくださいね。」
「えっ!まじ?!」
ディーノさんが口元に手をやって少しうつむく。
何か悪いこといったかな??
「。」
「はい!」
「俺達は俺達の好きに店にでも夕飯食べに行くからボスを頼むぜ。」
「へ?頼む??」
ロマーリオさんの言葉がいまいちわからない・・頼む?
「あの!まぁそういうことだから、俺と夕食一緒に食べないか?
1人ってのも寂しいだろ!礼はそれでチャラだ!!」
「はい!喜んで。」
その後お礼のはずがディーノさんがおごると言って譲らないので
おごってもらった。
「俺はこの時間だけで十分だからさ。」
改めて思う。なんて自分にはもったいない人なのだろう。
婚約者を見つめ、私も微笑んだ。
これを契機に
私の運命は
予想外の方向に向かっていく
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